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赤坂で出会う本場の味。『博多ラーメン 和』の薫り高き一杯
東京、赤坂。洗練された空気が流れるこの街で、ふと心が求めるのは、どこか温かく、そして実直な美味しさだったりします。そんな気分にぴたりと寄り添ってくれるのが、本格的な博多ラーメンを堪能できる『博多ラーメン 和』。
この記事では、豚骨ラーメンの概念を覆すかもしれない、臭みがなくクリーミーで奥深いスープの魅力に迫ります。定番の「ラーメン」から、香ばしさが食欲をそそる「黒とんこつ」、そして最高の相棒「明太子ごはん」まで。一杯の丼の中に込められた、丁寧な仕事と熱い想いを紐解いていきましょう。ラーメンをこよなく愛する方はもちろん、「豚骨の香りが少し苦手で…」と感じていた方にこそ、体験してほしい一杯がここにあります。
店舗の基本情報
店舗名: 博多ラーメン 和(かず)
住所: 東京都港区赤坂5-1-36 すずふりビル 1F
ウェブサイト: https://www.ramen-kazu.com/
アクセス: 地下鉄千代田線 赤坂駅 1番出口より徒歩1分
まるでポタージュ。五感で味わうスープの哲学
暖簾をくぐると、ふわりと漂う柔らかな豚骨の香り。いわゆる豚骨ラーメン店特有の力強い匂いとは一線を画す、どこか上品ささえ感じる香りに期待が高まります。カウンターに腰を下ろし、まずは基本の一杯を待つ時間もまた、心地よいものです。
運ばれてきた「ラーメン」は、きめ細かな泡が浮かぶ、美しい乳白色のスープが印象的。レンゲで一口すすると、そのなめらかな口当たりに驚かされます。見た目の濃厚さとは裏腹に、後味はすっきり。しつこさや雑味は一切なく、丁寧に、そして長時間かけて豚の頭骨と水だけで炊き上げられたというスープは、旨味の輪郭が非常にはっきりとしています。これはもはやスープというより、豚骨のポタージュと呼びたくなるほどの完成度。素材のポテンシャルを最大限に引き出すという、作り手の実直な姿勢が伝わってきます。
その珠玉のスープに寄り添うのが、博多ラーメンの真髄ともいえる極細ストレート麺。加水率を抑えたこの麺は、パツっとした小気味よい歯切れが特徴です。スープを運びすぎず、しかし一体感は失わない絶妙なバランス。啜るたびに、小麦の風味とスープの優しい旨味が口の中で見事に調和します。
おすすめのメニューたち
【ラーメン】 まずはここから。王道にして究極の一杯
初めて訪れるなら、まずは基本の「ラーメン」をおすすめします。この一杯に、『和』のこだわりと哲学が凝縮されています。シルクのように滑らかなスープ、歯切れの良い極細麺、そして丁寧に作られたチャーシュー。それぞれの要素が完璧なバランスで成り立っており、何度でも食べたくなる普遍的な美味しさがあります。まずはそのまま味わい、途中から卓上の紅生姜や辛子高菜で味の変化を楽しむのも博多流の醍醐味です。
【黒とんこつラーメン】 香りの魔法、マー油が織りなす深いコク
基本のラーメンを体験したら、次なる扉を開けてくれるのが「黒とんこつラーメン」。丼の中央にかけられた黒い液体、これこそが自家製のマー油(焦がしニンニク油)です。立ち上る香ばしいアロマが、食べる前から食欲を刺激します。
クリーミーな豚骨スープにマー油のビターな風味とコクが加わることで、味わいは一気に立体的で複雑なものへと変化。ニンニクのパンチがガツンと効いていながらも、決してベースのスープの上品さを邪魔しない。この絶妙な調和は見事というほかありません。少し刺激的な味を求める日や、午後の仕事への活力を得たい時にぴったりの一杯です。
【明太子ごはん】 博多の鉄板コンビ、最高のフィナーレ
博多ラーメンを語る上で欠かせないのが、白米の名脇役「明太子ごはん」です。ほかほかのご飯の上に、たっぷりの明太子と刻み海苔。これだけでも十分に美味しいのですが、その真価はラーメンスープと出会った時に発揮されます。
麺を食べ終えた後のスープを、少しだけ明太子ごはんにかけてみてください。明太子のピリリとした塩気と豚骨スープのまろやかな旨味が一体となり、得も言われぬ多幸感が口いっぱいに広がります。ラーメンの最高のフィナーレを飾る、必食のサイドメニューです。
まとめ:日常に寄り添う、本物の味
赤坂という場所で、これほどまでに実直で質の高い博多ラーメンに出会えるのは、ひとつの発見です。それは奇をてらうことなく、ただひたすらに「美味しい一杯」を追求した結果なのでしょう。
日々、様々な情報が溢れる中で、私たちは時に物事の本質を見失いそうになります。そんな時、この『博多ラーメン 和』の一杯は、素材と真摯に向き合うことの大切さ、そして丁寧な仕事が生み出す揺るぎない価値を、静かに、しかし雄弁に語りかけてくれるようです。
忙しい仕事の合間にほっと一息つきたい時、あるいは本当に美味しいもので心を満たしたい夜に。ここは、いつでも温かく迎えてくれる、都会の止まり木のような存在。本場の味を知る方はもちろん、これまで豚骨ラーメンに馴染みがなかったという方にこそ、ぜひ足を運んでいただきたい名店です。きっと、その奥深い魅力に気づかされるはずですから。
